発達障がい牧師ヒラリンの日記

世の中真っすぐな道は無いように、欠けや欠点の無い人もいない。発達障がいだから人生は面白い!

あしたのジョーとちばてつや

 

作画は言わずと知れたちばてつやで、原作は高森朝雄となっているが、これは梶原一騎のこと。

 

ちば作品には、教会がよく登場する。

『ジョー』でも、親友のマンモス西と紀ちゃんの結婚式は教会だった。

また、代表作の一つの『ユキの太陽』では、孤児のユキが道に迷って雪の中をさ迷っていると、一匹の羊が現われ、その羊の背中に乗ると教会にたどり着いたという、何とも“聖書的”な話もあった。

どうもちばの母親がクリスチャンで、彼自身も教会に熱心に通っていた時期があったらしい。

更に、『あしたのジョー』には、こんな話も。

丈のライバルの一人に、カルロス・リベラというベネズエラ人(メキシコだっけかな?ホセ・メンドーサがメキシコ人だったから、ベネズエラでよかったと思う)がいる。このカルロスが丈と対戦する前に、お忍びで泪橋の丹下ジムに来る件で、ドヤ街の住民たちと近くの公園で大宴会をする場面のこと。カルロスはベネズエラの貧民街の出身で、ドヤ街が懐かしく、そこの子どもたちやおっさんたちと打ち解けて宴会に・・・という設定。

その時のカルロスが次のような歌詞の歌をギターの弾き語りで歌っているのだ。(漫画だから勿論、メロディーは分からないというか、無い!テレビではこの場面は覚えてないからなかったと思うけど、もし覚えている方がおられたら、ヒラリンまでご一報下さいませ)。

♪ ひたいを落つる 玉の汗 

   化して垂穂の 実となりぬ

   わがさちや くにたみの

   いのちの糧を つくるわざ

 

   つるぎを変えて 鎌となす

   平和の御代も ちかづきぬ

   げにたのし わがかみの

   みむねにかなう なりわいは

 

   今日のつとめも はや終えて

   畦にやすらい もろともに

   とがまおき 鍬立てて

   夕日におもう みめぐみを ♪

ストーリーの中には、この歌についての説明は全くない。ドヤ街の連中との宴会で、カルロスがストーリーとの関連もなく突然、日本語で歌い出すのだから、不自然と言えば不自然。

私は読んだ時には、全くこの歌のことは気にもとめていなかったが、今、見てみると、2節の“つるぎを変えて鎌となす”などは、牧師であれば気づかないといけなかったかも(最初読んだ時は神学生でした(^_^;))。他にも“垂穂”や“平和の御代”、さらによく見ると“わがかみのみむねにかなう”といった言葉まである。

勘のよい妻はピンときたらしく(彼女もそれまではこの歌は知らなかったそう)、讃美歌を調べて見つけた。

 教団讃美歌(1954年版)の372番

彼女のその勘と探究心には脱帽だ。

 

チャンスがあれば、ちばてつやさんに、この件と讃美歌のことを聞いてみたいものと、ひそかに思っているのだが・・・

そうだ、書いていて、だんだん思い出してきたぞ。

『ユキの太陽』のこともあるので、周囲の者に聞いて周ったのだ!その中で『信徒の友』にちばてつや氏の記事か何かが出ていたと聞きつけたので、『信徒の友』の編集部に問い合わせたんだった。